2021.7.25~
@junnruuka さんのマカロンちゃんに血尿が認められ、子宮頚部に腫瘍が見つかりました。ですが、良性とのこと!!
子宮摘出後の予後は、良好に過ごせています。
今回、早期に発見し、検査ができたことも大切なことだったと思いますので、お役に立てればと飼い主様とマカロンちゃんにご協力いただき、まとめさせていただきました。参考になりましたら幸いです。
6/20 体重320g
6/28 体重312g 減少 食欲はあるけれど、体重減少に少し違和感。※振り返ってみると、このあたりから実は異変が起きていたかもしれないですね。
7/25 少し前からオシッコがピンクかかってた様子。おしっこを採取してこの日病院へ。うんちは問題なし。やはりおしっこに血液反応あり、この日は炎症を抑える薬を処方。
鮮血でなく、まつ出血に波があるので子宮の炎症の疑い。次回8/1の診察までに血尿が止まらなければ、手術を検討することに。
この日から、さっそく朝晩2回の投薬。2~3回に1回、血尿が…。それ以外は活動的で、よく食べ、よく遊んで、よく寝てくれてます。
体重は315~320gほどで安定。
8/1 再診 まだ血尿あり。ただ、血尿の回数や量が少ない、鮮血でない、痛がっていない、顔色も良好で活動的である様子などから、手術はまだ見送りに。薬を変えて様子見。
8/3 体重維持
8/17 再再診 血尿わずかりあり。投薬では完治は難しいと判断し、入院・手術へ。
【手術後、獣医師さんからのお話】
手術前の血液検査から、少し貧血気味であったことが判明。
開腹したところ、子宮の膣に近いところが固くしこりになっていたため、子宮・子宮頚部・卵巣を摘出。術後は貧血を加味して、酸素室へ。
8/18 退院 術後の経過は良好。食欲もあり、うんちもおしっこも正常。あとは病理結果待ち。
8/29
体重維持340gと戻り、貧血も改善されていたようです!
病理結果より、良性の腫瘍であることもわかりました。予後も良好な様子!
【診断】
卵巣:正常
子宮:子宮内間質結節(子宮内膜の乾漆細胞に由来する腫瘍性病変)
【所見】
卵巣:腫瘍性変化は認められません。
子宮:子宮頚部に存在する子宮内腔を充満するポリープ上の腫瘤は、軽度~中等度の異型性を示す紡錘形腫瘍細胞の束状・錯綜状の増殖によって構成されています。腫瘍細胞は、弱好酸性細胞質、大小不動を示す類円形~短楕円形の正染~淡染核、明瞭な核小体を有しています。腫瘍細胞の有糸核分裂増は高倍率10視野あたり1個認められます。検査標本上、腫瘍細胞の明らかな脈管内浸潤像は認められません。また、腫瘍組織は内膜に限局し、筋層への浸潤像は認められません。
【コメント】
子宮内膜間質結節は子宮内膜の間質細胞に由来する腫瘍性病変です。夜露日ハリネズミの子宮内膜腫瘍は、「混合腫瘍」「間質結節」「間質肉腫」に分類されます。腫瘍細胞の異型性や浸潤性、増殖活性の低さからは、良性腫瘍に相当すると、考えられ、腫瘍組織を含む左右卵巣・子宮の完全摘出後の予後は良好と考えられます。
【飼い主様よりコメント】
マカロンの場合、ある時からトイレタイムが決まっていまして、それが夜9時と朝7時頃でした。(夜活中にしてる時もあったんですが。)
私の目の前でおしっこをしてくれることもあるので、今回は、ペットシーツについたのではなく、リアルタイムにおしっこが出てるところを見ることができ、異変に気付けました。
動画で撮れれば良かったのですが、ファインダー越しに分かるほどの色付きではないほどで、記録に残すのが難しいですね。
おしっこの最後の方にちょっと絞り出すような感じで、液体よりは粘液混じりのピンクの物が出ていました…。(写真参考)
病院に持って行くおしっこは、ペットシーツを裏返して染みこまないようにして紙コップに持って行っていましたが、それは目視では黄色でした。でも、検査すると血液反応あったので、見た目ではわかりにくいのだと感じました。
子宮の病変は、ハリネズミちゃんにとても多い病変のひとつです。
いかに早期に発見するかが大切です。中には出産を終えた・もしくは出産の予定はないハリネズミちゃんは、症状が出ないように、子宮と卵巣を摘出しておく判断をすることも。そのくらい多いです。
メスのハリネズミちゃんで血尿が認められた場合、子宮がまず疑われることになるでしょう。いかにおしっこの異変に気付けるかが予後に左右しますので、マカロンちゃんのようにペットシーツだと観察しやすいですね!床材はさまざまですが、よくおしっこをする箇所をしっかり押さえておいたり、ペットシーツを併用するなど、工夫してみるとよいでしょう。