子宮内間質結節(子宮内膜の乾漆細胞に由来する腫瘍性病変)により、進級を摘出することに踏み切ったマカロンちゃん。おしっこがピンクがかっていたことが気がかりで、病院へ相談・検査をしたことから発覚し、薬で様子を見ながら、最終的に手術となりました。
現在、マカロンちゃん原因不明の血尿はうっすらとありますが、元気に過ごしてくれています!
2021年
6/20 体重320g
6/28 体重312g 減少 食欲はあるけれど、体重減少に少し違和感。
7/25 少し前からオシッコがピンクかかってた様子。おしっこを採取してこの日病院へ。
うんちは問題なし。やはりおしっこに血液反応あり。
この日は炎症を抑える薬を処方。鮮血でなく、まつ出血に波があるので子宮の炎症の疑い。
次回8/1の診察までに血尿が止まらなければ、手術を考えることに。
さっそく朝晩2回の投薬。2~3回に1回、血尿が…
それ以外は活動的で、よく食べ、よく遊んで、よく寝てくれてます。
体重は315~320gほどで安定。
8/1 再診 まだ血尿あり ただ、血尿の回数や量が少ない、鮮血でない、痛がっていない、顔色も良好で活動的である様子などから、手術はまだ見送りに。薬を変えて様子見。
8/3 体重維持
8/17 再診 血尿わずかりあり。投薬では完治は難しいと判断し、入院手術へ。
【先生からのお話】
手術前の血液検査から、少し貧血気味であったことが判明。
開腹したところ、子宮の膣に近いところが固くしこりになっていたため、子宮・子宮頚部・卵巣を摘出。
術後は貧血を加味して、酸素室へ。
8/18 退院 術後の経過は良好。食欲もあり、うんちもおしっこも正常。
8/29
体重維持340gと戻ってました!貧血も改善されたようです。
10/31
3週間ぶりに病院へ💨
薬は頑張って飲んでくれてるマカロンですが、相変わらず、血尿出てます😣
毎日どっちにしようか悩みましたが、先生と相談した結果…
来週11/8の月曜日に再手術することにしました✋
11/1
体重が、450gに…!いつのまに💦
11/8
無事に手術終わりました!
開腹して確認したところ、腫瘍やしこり等目に見えて血尿の原因だとわかるものはなかったそうです💨
手術の際、膀胱におしっこが溜まっていたので、先生が搾った?ところ…最初は黄色いおしっこが出るけど、最後の方に少し、出血が見られたとのこと。触診ではわからなかったので、たぶん、膀胱が爛れているか炎症を起こしていることによると出血ではないかという診断でした。
今後は出血を抑えるためにステロイド投与等の治療になるということです。
開腹までしたのに、原因を特定出来なくて申し訳ない気持ちでいっぱいです…。
幸いなことにマカロンは食欲もあり、出血による貧血も見られないことからすぐに退院出来ました✨
術後なので、触れ合いは最小限にして、次の通院日までケアしていこうと思います☺
2回目の手術と入院でかなりナイーブになっていうようで…昨日は静かに寝ていましたが、今朝はケージが荒れまくっていました(笑)
早く元の生活に戻れるように頑張ります💪
このあと、術後は良好で、順調な回復を見せてくれてるマカロンちゃん♥
ただ、現在までで、体重が600gほどまで増え続け、飼い主さんもあれこれ手を尽くされ、現在500g台でなんとか落ち着いたようです。
【診断】
卵巣:正常
子宮:子宮内間質結節(子宮内膜の乾漆細胞に由来する腫瘍性病変)
【所見】
卵巣:腫瘍性変化は認められません。
子宮:子宮頚部に存在する子宮内腔を充満するポリープ上の腫瘤は、軽度~中等度の異型性を示す紡錘形腫瘍細胞の束状・錯綜状の増殖によって構成されています。腫瘍細胞は、弱好酸性細胞質、大小不動を示す類円形~短楕円形の正染~淡染核、明瞭な核小体を有しています。腫瘍細胞の有糸核分裂増は高倍率10視野あたり1個認められます。検査標本上、腫瘍細胞の明らかな脈管内浸潤像は認められません。また、腫瘍組織は内膜に限局し、筋層への浸潤像は認められません。
【コメント】
子宮内膜間質結節は子宮内膜の間質細胞に由来する腫瘍性病変です。夜露日ハリネズミの子宮内膜腫瘍は、「混合腫瘍」「間質結節」「間質肉腫」に分類されます。腫瘍細胞の異型性や浸潤性、増殖活性の低さからは、良性腫瘍に相当すると、考えられ、腫瘍組織を含む左右卵巣・子宮の完全摘出後の予後は良好と考えられます。
【飼い主様よりコメント】
マカロンの場合、ある時からトイレタイムが決まっていまして、それが夜9時と朝7時頃でした。(夜活中にしてる時もあったんですが。)
私の目の前でおしっこをしてくれることもあるので、今回は、ペットシーツについたのではなく、リアルタイムにおしっこが出てるところを見ることができ、異変に気付けました。
動画で撮れれば良かったのですが、ファインダー越しに分かるほどの色付きではないほどで、記録に残すのが難しいですね。
おしっこの最後の方にちょっと絞り出すような感じで、液体よりは粘液混じりのピンクの物が出ていました…。(写真参考)
病院に持って行くおしっこは、ペットシーツを裏返して染みこまないようにして紙コップに持って行っていましたが、それは目視では黄色でした。でも、検査すると血液反応あったので、見た目ではわかりにくいのだと感じました。
子宮の病変は、ハリネズミちゃんにとても多い病変のひとつです。
いかに早期に発見するかが大切です。中には出産を終えた・もしくは出産の予定はないハリネズミちゃんは、症状が出ないように、子宮と卵巣を摘出しておく判断をすることも。そのくらい多いです。
メスのハリネズミちゃんで血尿が認められた場合、子宮がまず疑われることになるでしょう。いかにおしっこの異変に気付けるかが予後に左右しますので、マカロンちゃんのようにペットシーツだと観察しやすいですね!床材はさまざまですが、よくおしっこをする箇所をしっかり押さえておいたり、ペットシーツを併用するなど、工夫してみるとよいでしょう。
ハリネズミちゃんを診察したことのある病院をMAPにしております。お迎え時や1年に1回以上、2歳以降は半年に1回の頻度で、健康診断受けましょう。
もし気になる症例や検査結果などがお手元にございましたら、情報お寄せください!まだまだハリネズミの症例や病状についての情報が少なく、獣医師さんたちも手探りで診察されてくださっている方も。こういった情報の積み重ねにより、早期発見や診断や対処法の判断などのお役に立てるかもしれないと考えています。なにとぞご協力よろしくお願いいたします!