かかりやすい症例の紹介

ハリネズミちゃんの病気の進行は恐ろしく早いものです。私たち飼い主が、いかに早く気づいてあげられるかにかかっているといっても過言ではありません。

かかりやすい病気を参考にしていただき、特にあてはまる症状があれば、すぐに診てもらうようにしましょう。

腎臓に関する病気

腎臓は、老廃物を尿へろ過すると同時に、必要な栄養素を再吸収し、血液へ戻す役割があります。栄養過多、水分不足などで腎臓に負荷がかかり、再吸収できずに尿に出てしまうことがあります。

 

【症状】尿たんぱく、その他、食欲低下、体重低下、水分をたくさん摂るようになったなど

 

【予測される原因】食べすぎ、水分不足、加齢、食べすぎによる、栄養素をフィルターにかける腎臓への負担や、また、水分量が不足していても負担がかかります。特にドライフードを食べているハリネズミは、ふやかしてあげるか、意識して水分を摂らせてあげないといけないと考えています。

 

【検査】尿検査、血液検査、超音波検査などの組み合わせ。重要なのは特に尿検査で、血液検査よりも早期に異常を見つけられることが多いです。

 

【治療】早期であれば、リンやタンパク質のコントロールによる食事療法、定期的な点滴で改善が見込めます。腎臓は進行すると回復が難しい臓器です。定期的な健康診断や尿検査を受けましょう。

 

★先天的に腎臓が弱く、生まれつき症状が出やすい子もいます。

 

尿路に関する病気(膀胱炎)

尿路は、腎臓▶尿管▶膀胱▶尿道のことで、膀胱▶尿道で起こる疾患の総称を「下部尿路疾患」といい、膀胱炎や尿路結石症などが含まれます。

 

【膀胱炎の症状】頻尿、血尿、排尿痛による排泄困難(点々と尿をするなど)

 

【予測される原因】細菌性の場合、ストレスなどからによる原因不特定の場合も。

 

【検査】尿検査、血液検査、などの組み合わせ。

 

【治療】尿量を増やすため、意識的に水分摂取量を増やす。置き型の水飲み場を作り、環境を見直してみてください。また消化性の低いフードだと便量が増え、便量が増えると、水分が奪われ、尿量が減少する関係もあります。消化性の高いフードが推奨されます。また、医師と相談し、抗酸化成分や炎症をおさえるEPA/DHAなどを摂取させることが大切です。

 

尿路に関する病気(尿路結石)

尿にはさまざまなミネラルなどが溶けていますが、何らかの原因で尿路内で結晶化し、さらに結石を形成したものが尿路結石症です。結石の種類は、「ストルバイト結石」と「シュウ酸カルシウム結石」など。

 

【尿路結石症の症状】頻尿、血尿、排尿痛による排泄困難。結石が尿道につまって尿道閉塞を起こすと尿を排泄することができなくなり、放っておくと命にかかわる危険な状態に陥ることもあります。

 

【予測される結石の発生原因】

・ストルバイト結石…尿量の減少、尿のアルカリ化、細菌による膀胱炎

・シュウ酸カルシウム結石…尿量の減少

 

【検査】尿検査、血液検査、などの組み合わせ。

 

【治療】尿量を増やすため、飲み水の与え方を見直し、水分摂取量を増やしましょう。消化性の低いフードだと便量が増え、水分が奪われ、尿量が減少するため、フードも見直す必要がります。医師と相談し、ミネラル分(マグネシウムやカルシウム)の調整や、ストルバイト結石では、尿の弱酸性化を調整しましょう。

 

 

子宮に関する病気

子宮疾患は、メスのハリネズミに発症例が最も高い症例の一つです。検査結果では症状が特定しづらい場合も、下記の症状が出れば、まず子宮疾患を疑うべきと考えています。

 

【症状】子宮(陰部)からの不正出血(血尿として発覚)その他、食欲低下、体重低下、微熱、お腹の腫れ

 

【予測される原因】加齢(1歳半~)

 

【検査】血液検査、超音波、レントゲン検査などの組み合わせ。ただ、子宮の腫れは、検査では見つけづらいケースも多いです。

 

【治療】摘出手術が可能な病院であれば、子宮・卵巣を摘出する選択が一番です。予防として、避妊手術として早期に摘出を検討するのも一つです。定期的な健康診断を受けましょう。

 

口腔内に関するトラブル

歯石の蓄積や、歯茎への負担などにより、歯茎が腫れる歯肉炎が起こりやすいとの報告が多々あります。

 

【症状】歯茎が腫れる歯肉炎

 

【予測される原因】歯冠に付着した細菌が増殖して蓄積し、歯垢▶歯石が形成される。硬いものを噛むことによる歯茎への負担。

 

【検査】目視。ただし、ハリネズミの性格上、口腔内を観察することは難しく、麻酔ありの健康診断時でないとじっくり見られないことも。

 

【治療】予防としては小さいうちにブラッシングトレーニングを行うか、歯につきにくいカリカリフードをブラッシング代わりに与える。ただし、ハリネズミは噛む力は特性上強くないため、硬いフードを噛むことには歯の構造上、適していません。硬すぎるフードは避け、ふやかし時間を調整しましょう。

 

【予防】虫を食べてもらうのが一番と考えられます。繊維質を噛むことにより、自然と歯をお掃除する効果も期待できます。

 

★歯肉炎だと思ったら腫瘍だったというケースもあります。口腔内も健康診断時には必ず診てもらいましょう。

肝臓に関する病気

肝臓病は、炎症が起きたり、細胞が壊れたり、脂肪が溜まりすぎるなどして、本来の働きができなくなる症状です。特に、太ったハリネズミ

が食事を摂らなくなると、体脂肪が肝臓に一時的に大量に運ばれ、脂肪肝になることも。

 

【予測される原因】細菌やウィルスの感染もありますが、ほとんどの場合食べすぎです。加齢も影響があります。

 

【検査】血液検査、超音波、レントゲン検査などの組み合わせ。

 

【治療】一般的には肝細胞を再生させるためのタンパク質やカロリー源としての脂肪、肝臓へのダメージを減らすための亜鉛や抗酸化成分、EPA/DHAなどを適度に増量した食事が推奨されますので、医師と相談しましょう。