事例⑧背中のコブ▶毛包性嚢胞

【更新状況】

2021.7.19

ハリネズミの背中にはたくさんの針が生えていますが、このたび、背中に複数のコブができた事例が報告されました。今回、バロン君(Instagram:@chikuchiku.valon さん)から実際のお写真の提供をいただきましたので、共有させていただきます。背中の針の根本辺りは、針をかき分けてみないと観察しにくい部位ということもあり、見落としやすい事例であると考えられます。ご自身のハリネズミちゃんの健康チェックにも参考になればと思います。

 

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2021.7.21

速報!病理検査の結果、悪性の腫瘍ではなかったとのこと!😭🙏✨【毛包性嚢胞(もうほうせいのうほう)】という症状だそうです。 

 

【経緯】

 

2021.6.25

飼い主さんが背中の針の生えてる皮膚上にコブのようなふくらみを発見しました。

 

2021.6.26

病院にて、診察のためコブに針を刺しましたが、膿が出る様子はなく、固い感じだそうです。

1週間分の抗生剤で縮小するかどうか、様子をみることになりました。

 

2021.7.4

 

再診。 抗生剤の効果はなく、コブのサイズに変化はありませんでした。

そこで、手術で切除することを決断されたそうです。

このときに、ほかの箇所にもコブが発見されました。

 

2021.7.5

再診。バロンくんのストレスや負担を考慮し、手術前に針のカットと、レントゲン検査を事前実施しました。

そのため、この日の麻酔時間は48分。レントゲン検査結果は内臓も口内も異常はみつかりませんでした。

 

※麻酔中の心拍数が平均より少なかったそうです。

 

【閲覧注意】

下記に、針カット後の写真と、術後の写真の掲載がございます。

 

 

 

 

 

2021.7.5

この日、病院にて、針をカットして観察しましたところ、大きいもので1cmほどのコブ含め複数見つかりました。

また、○で囲んだ以外にも、極小のコブも見つかったそうです。

 

バロン君自身は、針をカットしたことに対しては違和感ない様子とのことでした。

 

また、帰宅後のバロン君は、歩行も影響なく、お腹がすいたのか、ごはんに直行したそうです。(かわいい)

 


2021.7.8

切除後の様子の写真です。

 

術後は傷口を搔き壊すことなく、化膿もないそうで、経過良好の様子…!

※傷口が気になって掻いてしまう子もいるようです。 

切除したコブは病理検査にかけられ、7月21日の結果待ちとなりました。

 

2021.7.21

 

切除した腫瘍を検査した結果、【毛包性嚢胞】であることがわかりました。

悪性ではなく、切除すれば完治できるもののようです…!

 

【病理結果 詳細】

得られたいずれの腫瘤部分にも、毛包由来の嚢胞が認められました。非腫瘍性の病変で、悪性所見はありません。

真皮から皮下に及ぶ大小の嚢胞状病変が形成されており、内腔には多量の角化物とともに、毛の一部も貯留しています。壁は表皮と同様の重層扁平上皮からなり、毛らとヒアリン顆粒層を経て正常に角化して、構成する細胞に異型性はありません。

また嚢胞の破綻は見られず、二次的な炎症も目立ちません。

 

 

★毛包性嚢胞については、ページの最下部に記載しております。 

 


★★素朴な疑問にお答え★★

 

○針は何でカットしましたか?

➡院長先生が1本1本ハサミで丁寧にカットしてくださったそうです。

 

○カットした針はどうなりますか?

➡短くなった針はそのままで伸びることはないそうです。抜け落ちた後に、新しい針が生えてきます。

 

【毛包性嚢胞について】

からだのなかに生じた病的な袋状のものを嚢胞(のうほう)といいます。一般にそのなかには液状の内容物が入っており、ほとんどの嚢胞は、その内側が上皮によって覆われています。毛包は、毛を産生する 哺乳類 の 皮膚 付属器官です。この毛包のあたりに嚢胞ができることがあります。

サイズはとても小さいものから直径1~2cmになるものもありそうです。悪性のものではないですが、放置しておくと破裂する可能性があり、切除する必要があります。

 

参考

日本皮膚科学会雑誌第117巻第14号 (jst.go.jp)

皮膚科医 清水宏医師 新しい皮膚科学

 

 

ハリネズミちゃんを診察したことのある病院をMAPにしております。